浸潤性乳管癌と診断されて 8

「癌は誰でもなるもの!でも、まさか自分がなるとは思わないのが癌!」
CTの検査は午後3時半からの予約だったので
早めの朝食の後、自宅のベッドでごろごろして時間をやり過ごし、お昼抜きで病院へ向かった。
診察は無く検査だけでしたので受け付けをしてからCTの検査室の前の椅子に座って呼ばれるのを待った。
入り口の鉄の扉が並ぶ向かいの椅子はあまり座り心地は良くなかった。
そんなに待たずに名前が呼ばれて
鉄の扉の向こうへ入って行った。
中に通されてからカーテンの中で診察着に着替える様に言われた。
着替えてからドーナツのついたベッドに横たわった。
造影剤を注入する為に点滴の針を刺すのだが
腕に何度も刺すが上手く刺さらずで
結局、普通注射を打つ場所に変更して刺された。
看護師さんは「すみません」と何度も謝まられた。
「大丈夫ですよ」と言うしかなかった。
どうなつ状の輪っかが私の身体を行ったり来たり
「はい、息を吸ってー、はい、止めて!」
何度か繰り返して終わった。
右腕には2ヶ所の止血の為、
ガーゼとテープが巻かれていた。
検査室を出る時に検査員が大きな溜息をついた。
どうやら私が最後の患者だった様だ。
急ぎの割込み予約だったから予定より勤務が長引いたのかもしれない。

造影剤が体に注入されている為20分位は様子見で院内に居るように指示されていた。
会計を終わらせてから院内のコンビニでおにぎりと飲み物を買ってフロアーの椅子に座り込み遅い昼食をとった。
今日はやたらと晴天で知り合いのSNSは青空が多かった。
その為かやたらとフロアーにある青が目について仕方なかった。

まだまだ検査がある。日を改めてまだ続く。
淡々とした足取りで車に向かい自宅へ帰って行った。
すでに日は沈みかけて薄暗くなって来ている
私の気持ちも薄暗かったと思う。

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≪魂のトラウマ解放ナビゲーター≫ の一野瀬陽月です✨ がんと闘いを経て生きる事の凄さと 素晴らしさを皆様にお届けしています。 丹沢山麗の地から 普段の生活を盛り込んでアーカイブしています。