シンガポール 旅立ち前

癌が発覚してから1年もの期間は前に進むこと。
そして、ひたすら向き合って乗り越えてきました。
周りの援助と支えがあったからこそ、フルコースの治療も終盤を迎える事が出来たと思います。
感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございます。

そんな抗がん剤治療中、高校時代からの友人が
「何かやりたい事とか無いの?」
と聞かれ
「海外旅行に行った事ある?と聞かれて、
北海道と沖縄!と答えているから、パスポート持って本物の海外旅行に行ってみたいかなぁ〜」
と何気無い私の返事に
「じゃぁ、治療落ち着いたら、絶対行こう!
私は、ぱら(私のあだ名)と行きたいの!
それを励みにして!私もそれを励みに仕事するから」
と言ってくれたのが始まりでした。

生きてるうちにやっておきたいこと。

大きな病気をした事で、思い切って計画に乗る事に決めました。

放射線治療が終盤に近づき、薄ら頭髪は生えてきましたが、まだウィッグを正式に外してませんでした。
抗がん剤治療で坊主になった姿は、本人は鏡見ないとわからないけど、周りは常に見えているので、周りの方が毛も無く、薬で浮腫んでいる私の姿にショックを受けてました。
そんな事もあり、もちろんウィッグを被ったまま、パスポートを作りました。
先はわからないから5年のパスポートにしました。

しかし、実際に旅立つ時はウィッグから卒業しちゃいました。
少し伸びて来たので、以前からお世話になっている 美容室tise のオーナー 杉本くんにお願いして、不揃いな箇所を整えてもらい、カラーをしてもらいました。
なので、ベリーベリーベリーショート!
海外なら尚更OK!という事で!

大きな治療が落ち着いたので、友人と、
旅行の打合せ!と題して、
ランチしたり、動物園に連れて行ってもらったり、
楽しい時間をたくさん設けてくれました。
最初は韓国の予定でしたが、情勢が悪いので、途中で、シンガポールに振り替えました。
しかも、激安価格!
治療費にお金がかかっていたので、費用は出来るだけ抑えたかったので、ラッキーな価格でした。
それでも不安でしたが、な、なんと!次男が
「俺の通帳から好きなだけ下ろしていいよ!
今、仕事忙しくて使っている暇ないから!
お土産買ってきてくれればいいから。」
びっくりし過ぎて
「えっ?えっ?」
冗談かと思ったら、本気でした。
そして、娘からも!お金の入った封筒を渡され
「お土産買ってきてね!」
まさかのまさか続きです。

そして、友人は、
旅のスケジュールをしっかり立ててくれていました。
びっくりするくらいに念みつに!
現地で使うWiFiの手配も既にされていました。
ガイドブックには付箋とライン引きまで!
もぅ、私はパスポート持って、ついて行くだけです。

友人の意気込みも凄く、1週間前にスーツケースに荷物を詰め込んだ写メが送られて来ました。
早くないかぁ?(笑)

私はこの旅行をめいいっぱい楽しむ為にも!
ホットヨガを始めました。
勿論、みんなと肩を並べる程は出来ないので、
初心者向けのヨガのみですけど!

全身治療した後遺症は自分が思っている以上に体力が低下していました。
そして、手術した跡をかばう姿勢やその為に起こる浅い呼吸が癖になっていて、それにより、体の不調が出ていました。

抗がん剤治療の途中から治療の副作用改善に寄り添って頂いた
「うめの手鍼灸マッサージ治療院」の梅ちゃん先生にも診断に施術と旅行に行く直前まで調整にご協力頂きました。
おかげで、現地で具合いが悪くなる事もなく、
楽しい時間とたくさんの思い出がトランクから溢れる出る程になりました。
ありがとうございます。

羽田までは、実家のある地元厚木からのリムジンバスです。
深夜発の飛行機ですが、リムジンバスの最終は17時過ぎなので、その時間になりました。
張り切り具合いは半端なく(笑)
17時過ぎ発のバスに乗るための待ち合わせは時間は15時!(笑)
ガラガラとスーツケースを引きながら、厚木でお茶しました。
勿論、ガイドブックを開いて予定の確認しながら!

羽田空港に着いてからは、
シンガポールへ旅立つ飛行機は深夜2時なので、
空港内をガラガラとスーツケースを引きながらディナーです。
ちょっと贅沢にステーキプレート🍽
時間はたくさんあったので、屋上に行き、気持ちいい夜風にあたりながら、旅立つ飛行機に見とれてしまいました。

私達も今まさに旅立つ。
この夜空に向かって!

初めてのパスポートを片手に搭乗手続きをしました。
私よりも20センチも小さい友人の背中が大きく見えてしまいました。

勿論、格安旅行!
席はエコノミークラスです。
これから約7時間の空の旅。
カチッとシートベルトを締めて
ジェットエンジンが更に力強く唸りを上げ
私達のカラダはGを感じながらふわりと空に舞いました。
席は真ん中だったのですが、窓際に目線を向けて、
東京のネオンが遠のくを眺めていました。
湧き上がる感情で涙腺が緩み、危うく溢れ出る所でした。

52歳。
いっぱい、いろいろな事がありました。
本来の生きるを諦め、ただ息を潜めて、時にびくびくしながら、惑わされ。
そんな積み重ねの日々を見るに見兼ねた周りの友人達に
『ちゃんと生きろ!』
と人生の軌道修正をされました。
して頂きました。
そして、今となると
私が早く本来の歩みを取り戻す為にもなった病だった気もします。
私の魂が望んでいない生き方だったことやとたくさんの気づき。
過度のストレスから解放され、気がついたら、たくさんの暖かい手に囲まれていました。
だからこそ、ポジティブに病と向き合って行く事が出来たんだと思います。
今の生活に変えていなければ、今私はこの飛行機にさえ乗っていなかった。
乗れなかった。
もしくは、余命の人生を嘆き悲しんでいたかも知れない。
日本から離陸するジェットエンジンの音に気持ちも掻き立てられました。
そして、こんな機会を共に過ごしたいと寄り添ってくれる友人。
私の隣りにいる私よりもずっとカラダの小さな友人は私にとって、とても大きな友人。

そして、人生の岐路で差し伸べてくれた
数々の暖かい手の持ち主をひとりひとりと思い浮かべました。

ありがとう。ってひとことでは言い切れません。

ここから始まる私の人生は
悔いの無い時にして行かなければ!
みんなが用意してくれた新しい道。

旅立つ瞬間の私は思一入でした。

そして、私と友人のシンガポールの旅は始まったのです。

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自然界のヒーリングで魂を覚醒させ自己実現へ導く!

≪魂のトラウマ解放ナビゲーター≫ の一野瀬陽月です✨ がんと闘いを経て生きる事の凄さと 素晴らしさを皆様にお届けしています。 丹沢山麗の地から 普段の生活を盛り込んでアーカイブしています。